私たちの想い

実働代表・粂知宏の想い

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私は、児童養護施設で22年間働いている一人の職員です。

児童養護施設で毎日子どもたちと一緒に過ごし、彼らの成長を見守る中で、たくさんの笑顔に出会ってきました。

でも同時に、ずっと心の中に消えない思いがありました。

それは、施設では昔から、子どもたちに習い事をさせることができないということです。

「サッカーがしたい」「ピアノを習いたい」「スイミングを習いたい」

と言ってくる子どもたちに、

私は何度も「やらせてあげたいけど、ごめん。でも、無理なんだ…」と答えるしかありませんでした。

そうして何人もの子どもたちが、やりたいことができないまま、施設を出て行きました。

子どもの想いを汲みきれなかった才能がある子も、たくさんいました。そんなやりきれない自分が、嫌で、悔しくて、情けなくて、たまりませんでした。

そして、施設の子どもたちの中には、そもそも高望みをしない子もいます。

口に出すわけではありませんが、「三食ちゃんと食べられて、安心して寝られるだけで十分」と思っている子も生活の雰囲気などで感じ取れたりもします。

つらい環境から施設に来て、ようやく安心できる場所を見つけた子どもたち。だからこそ、「自分の気持ちを言える」ことすら、遠慮してしまうのです。

でも、本当にそれでいいのでしょうか?

安定することは大切です。でも、施設の中だけで完結してしまうと、外の世界とつながることができません。

子どもたちには、安定だけではなく、生きる喜びや自己肯定感、そして一歩踏み出す勇気が必要だと思っています。

それがなければ、施設を出たときにつまずいてしまう可能性が大きいと私は感じています。心を動かされた一人の少年

そんな葛藤を抱えていたある日、一人の男の子が、私に大きな気づきを与えてくれました。

小学3年生の男の子が、私のところに来てこう言ったのです。

「俺、サッカーのクラブチームに入りたい」

最初は、いつものように「無理だよ」と答えました。でも、彼は諦めませんでした。何度も、何度も、私のところに来ては、同じことを言いました。

その時、ふと気づいたんです。

「俺は、この子のために、何もしていない」と。

彼の想いを聞くだけで、何も行動していない。ただ「無理だ」と言って、諦めさせているだけだ。

そこで私は彼に言いました。

「うちの施設で習い事をしたいなら、かかる費用すべて自分のお金で賄わなければならないよ。月謝、年間費、ユニフォーム代、保険代、とか…。それが唯一習い事をさせられる方法だと思ってる。」

彼は、少し考えた後、決意した表情で言いました。

「じゃあ、俺、お小遣いを貯める」

そう言って彼は小学4年生の途中から、5年生の終わりまでの約1年3ヶ月、サッカーを習うためにお小遣いを一切使わず、全額貯金しました。

友達が駄菓子を買っているときも、欲しいものがあっても、我慢しました。

そして、ついに、1年間サッカーができる費用を貯めることができたのです。

私は彼がお金を貯めている間、『習い事のルール作り案』を作り会議で承認を得れるように進めていきました。

うちの施設が習い事をさせたくてもさせられない事情も長く働いているので良くわかっています。

施設も家庭と一緒で台所事情があります。金銭面はとてもシビアな問題です。

また特例を許してしまうと僕も私もとなり、たくさんのこどもが習い事をしたいといい出します。1人だけ習わせるならどこの施設だってやらせられると思います。

みんな平等にとなると簡単にやらせられないのが現状なのです。

ただ通うだけの習い事ならまだいいのですが、サッカークラブとなると土日の試合会場まで送って行く職員も必ず配置しないといけないという人員的な問題も出てきます。

そういった問題と職員の覚悟も必要となり全てクリアしていく必要がありました。

何度か話し合いを重ねた末、許可がおりることになりました。努力の末掴んだ少年の願い

そして小学6年生の4月からようやくクラブチームに入ることになったのです。

たった2ヶ月後。

ジュニアユース(中学生のチーム)の視察が来ている試合で、彼のプレーが目に止まりました。

「中学生になったら、うちのチームに来てほしい」

オファーを受けたのです。

約1年3ヶ月お小遣いを我慢して貯めて、たった1年間しかプレーできなかった。

でも、彼は、その1年間で、自分の可能性を証明したのです。

彼の表情が変わりました。自信に満ちた顔。「やればできるんだ」という自己肯定感。

そして何より、サッカーをする喜び、生きる喜びを感じている姿がそこにはありました。

このエピソードを経て、私は1つ思ったことがあります。

もし、彼がサッカーをする機会を得られてなかったら? 

彼の才能は、誰にも気づかれないまま、埋もれていたんじゃないか…と。

これは彼だけの問題ではなくこの先全ての子どもたちがぶつかる問題になります。

小学校の部活動はすでに外部委託され活動が週に1回に縮小されています。(地域によって異なります)

令和9年度からは中学校の部活動も外部委託されるので活躍する場の確保が難しくなるのではないかと感じています。

だから私は決めました。

もう「無理だよ」とは言わない。

子どもたちに、可能性を開く「機会」を届けよう、と。

そしてその想いを形にするために、NPO法人「結TABITO」を立ち上げることにしました。

令和8年(2026年)10月1日の設立に向けて、今、準備を進めています。

一人でも多くの子どもたちに、可能性を開く機会を届けるために。

結TABITO

実働代表 粂知宏

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ABOUT ME
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ゆいたびと
「結TABITO」は、人と人、心と未来を"結び"、子どもたちが自分らしい人生の旅を歩めるよう支援する団体です。
まずは児童養護施設の子どもたちに、のちに経済的に困難な家庭の子どもたちに、スポーツ・文化・体験活動を通じて、可能性を開く機会を届けます。
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