教え子の声②
私は2歳から18歳まで、名古屋市の児童養護施設で過ごしました。
その施設で、粂さんと出会いました。
幼少期から毎日のように園庭で一緒にサッカーをしました。小さい頃からサッカーをしていたこともあり、周りより少し上手だった私は、小学生や中学生の頃には調子に乗っていた時期もありました。

そんな私に、「人として欠けている部分」に気づかせてくれたのが粂さんです。
いけないことをしたら本気で叱る。
「ありがとう」「ごめんなさい」がきちんと言える人になること。
嘘をつかず、正直でいること。
技術や結果よりも大切な“人としての在り方”を教えてもらいました。

そして何より、粂さんはどんな時も
「吉典なら絶対にできる!」
と私を信じ、一番近くで伴走してくれました。私にとって父のような存在です。
施設を出た今でもつながりは続き、家族(加族)のような大切な存在になっています。
粂さんは、今も昔も変わりません。真っ直ぐで、常に「人のために」という強い使命感を持って生きている人です。
そんな粂さんが向き合ってきたのが、施設によってはやりたいことがあっても習い事が出来ない現実や、地域で生活する子どもたちが貧困によって可能性を閉ざされてしまう社会課題です。
今回立ち上げる 結TABITO で全ての可能性ある子どもたちが平等に習い事を通して、夢や目標への挑戦のチャンスがある社会にしたい!そんな気持ちがあります。
本来なら施設に入りながらもやりたいことに挑戦出来る環境や仕組みが整っていたらなって思いますが、今は昔のように毎日部活がありません。
そんな中、一般家庭の子ども達は習い事をやっている子が多く、施設だからやらせてあげられない課題もあります。施設の外に出て習うことでしか学べないことも多くあると思います。
習い事を通して夢中になれるものと出会い、それが人生の生きがいにつながってほしいと願っています。

子どもの人生という時計の針は、毎日確実に進んでいます。
そのかけがえのない時間を、少しでも有意義で温かいものにしたい。
そして、人との出会いは人生の財産です。
この活動を通して出会う子どもたちが、人とのつながりの中で笑顔にあふれる毎日を送れることを、心から願っています。
児童養護施設職員
比田勝 吉典

